先生。














今が幸せ。


なんて思ったことは一度もないけれど、大人になりたいとは思わない。





「なにか考えごと?」





ズボンを履きながら問いかけてくるのは、私のお得意様。


森本 徹(モリモト トオル)さん。





「ううん。なんでもない」





行為後の気だるい体を、後ろから包み込まれて、徹さんが首筋にキスを落とした。





「これから仕事なんだ。お金これで足りる?」





差し出されたのは、3枚の紙。





「さっき貰ったよ?」


「これはタクシー代。ここから家遠いでしょ?」





さすが大手企業に勤めているだけあって、気前がいい。





「ありがとう!徹さん大好き」


「俺もだよ。じゃあまた連絡するな」


「うん!またね!」

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