先生。


たいして良くない頭をフル回転させて、今までを思い出す。


そうすると、全てが繋がってしまって、吐き気が襲った。





「ねぇ、譲は?いつ頃帰るの?」





先生の愛してる人は、私の大嫌いな人。


私たちって、お互いでお互いを苦しめ合っていたんだね。





「最近、会ってくれないしお金足りなくなってきちゃってさー。あ、もしかしてあんた譲からお金貰ってたりする?」





ねえ、先生。



こんなやつのどこがいいの?


私、こんな女に負けたの?





「ねえ潤」





そう名前を呼ばれた時、ここにいたら死んでしまうと思った。


これからのことを考えると、生きていけないと思った。



気づけば私は大雨すらも構わずに、行き先もわからず走り出した。




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