先生。

司とベラベラ話して、もうすぐチャイムが鳴ろうとしていた時。


ガラッと前扉が開いた。



一瞬の沈黙が流れた次の瞬間には、ドッと歓声が押し寄せる。



それはそうか。


だって叶うはずのない事が起きてるんだもん。





「何だ。津山じゃん」





そう。



このクラスに入ってきたのは津山先生。


私の担任は先生ってことになる。



高校生活最後の担任が、先生なんて…


なんのサプライズなわけ？





「嘘だ！」





周りより大きな声が出てしまって、一気に注目が集まる。





「夏目？静かにね？」





だってだって。


嬉しすぎるよ、こんなの！



絶対ないって思ってたから…


ああ、今すぐ先生に抱きつきたい。