先生。


前までの私なら、ここで折れてた。



こんなやつの話なんて聞いても無駄。


そう思うか、こいつなんか殺してやる。そう思ってたと思う。





「ちょっと遊んであげてた子がさ、自殺しようとしたんだよね」





可笑しそうに笑う目の前のこいつに、少し鳥肌が立った。





「惜しかったなあ。あんたももうちょっとだったのにね?」





昨日のことが蘇る。





「見てたんだ?」


「ぜーんぶ見てた」





…なに、この子。





「あんたがさ、私の思うように動いてくれるから助かったよ?」


「は?」


「私が丁寧に説明してあげる。どうしてあんたが先生の隣にいられなくなったのか」

< 344 / 399 >

この作品をシェア

pagetop