先生。
前までの私なら、ここで折れてた。
こんなやつの話なんて聞いても無駄。
そう思うか、こいつなんか殺してやる。そう思ってたと思う。
「ちょっと遊んであげてた子がさ、自殺しようとしたんだよね」
可笑しそうに笑う目の前のこいつに、少し鳥肌が立った。
「惜しかったなあ。あんたももうちょっとだったのにね?」
昨日のことが蘇る。
「見てたんだ?」
「ぜーんぶ見てた」
…なに、この子。
「あんたがさ、私の思うように動いてくれるから助かったよ?」
「は?」
「私が丁寧に説明してあげる。どうしてあんたが先生の隣にいられなくなったのか」