先生。
私を真っ直ぐ見るミラちゃんの目には、たくさん涙が溜まっていた。
面白半分とかだったらいいのに。
もっとミラちゃんを責められるような理由だったらいいのに。
もっと、ミラちゃんが私のこといじめてくれればいいのに…
ドス黒く渦巻く感情。
こんなこと考える私の方が、先生の隣に並ぶ資格なんて、もうない。
「本当に好きならよそ見なんかしないで。私が奪う隙もないんだって思えるくらい完璧でいて」
説明するまでもなく明白だった。
私が、脆すぎた。
繋いだ手を緩めたのは、私の方。
すぐに離れて行くと知りながら、全力で繋ぎとめなかったんだ。