先生。
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先生がいなくなって、数週間が経った。
季節は変わり、もうすぐ夏休みを迎える。
「くれぐれも、問題は起こさないように。それと…」
先生はここにいなくて、なんとも言えない空虚感が私を襲った。
家も、この学校も…
どこにいても どこを見ても、たくさんの思い出で溢れている。
まるで俺を忘れるなって…言ってるみたいに。
気付けば私の人生は全て先生が占めていた。
「それと、夏目と立花は残るように」
「はあー?くそだりぃー」
先生に呼ばれる名前と、副担任に呼ばれる名前とでは、全然違う。
感情も何もない。
日に日に、色が薄れていくのがわかる。
目を擦っても擦っても、空とか地面とか、周りの風景すらも薄れていく。
周りの色と比例するみたいに、私の心までも色落ちが進んでいくんだ。