先生。
卒業式まで、あとわずか。
先生がいない学校なんて来る意味もない。
「行くぞ潤」
でも今は、司が私の支えだ。
司なりの優しさや、存在の大きさが温かい。
「お前ら、進路どうすんだ?」
終業式が終わってから、職員室に呼び出された私と司。
コーヒーの匂いが漂うこの部屋には似合わない、深刻な声が私たちを捕まえる。
「立花は推薦枠に入れるが…夏目、お前1年と2年の途中までサボりがちだったろ。出席日数がな」
進路。
それは先生と相談するはずだった、私の将来。
ねえ先生…
私、どうしたらいい?
「一般で行くか?」
大学に行くお金なんてない。
また、体を売って生きないとダメなのかな。