先生。


「夏目ならー…立花と同じラインか、もう1つ上に挑戦しても大丈夫だと思うけどな」





司の、1つ上…


それは相当頑張らないといけない。



そこに行けば、何か変わる…?





「私、そこ志望で」


「わかった」





そう言って先生は、司の名前の下に、私の志望校をメモした。





「失礼します」





愛想のない挨拶をして、体を回れ右させると。





「夏目」


「…はい」


「津山先生にも…伝えておくな」





そう言った。





「よろしく、お願いします」





副担任の隣にある先生の机。


荷物や教材はまだあるのに。



先生の名前を聞くだけで、先生を思い出すだけで、心が揺れて震えだす。

< 355 / 399 >

この作品をシェア

pagetop