先生。



それから時はどんどん進み、季節は変わって冬になった。



先生がいなくなって、半年。


この半年、死ぬ物狂いで勉強してきた私。



今日は受験前最後の模擬試験だ。





「さみー…お前寒くねーの?」


「どこをどう見て寒くないって言えるわけ?」


「足」


「寒いに決まってるだろが!」





マフラーに顔を埋めて、隣を歩く司。


クラスで一般入試を受けるのはほんの数名で、その数名に私たちは入っている。





「あと2週間か」


「司なら大丈夫でしょ」


「お前、後1ヶ月もあるもんな」





司は私立、私は公立を受けるから受験の日にちは2週間も違う。


私が最後まで残された受験生かー…

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