先生。
もう私に関わらないでほしい。
「ね、今お金ある?貸してくれない?」
そして何を言い出すのかと思えばこんなこと。
呆れてため息や言葉は出ない。
実の娘に金せびって、恥ずかしくないのかな。
呆れた私は、さっき徹さんから貰ったタクシー代を床に投げつけた。
「ごめんねー。ありがと」
そう言って床に這いつくばって、お金を拾う姿はとても無様で。
こんなが家族と思うと、また心が汚れた気がして逃げ出した。
学校に行ったところで友達はいないし、それに夢だとかなんとかカッコつける教師がいる。
いいご身分だよね。
決められたもの教えていれば、それでお金もらえるんだし。
「急遽、ご退職された荒木先生の代わりに新しい方にこのクラスの担任をしていただきます」
いつも通りボーッと頬杖をついて、先生の話を流していた。