君を知るたびに、恋を知る【短編】
想像しようとしても出来なかった笑みが、視線の先にある。


それに私は恥ずかしさを感じ、ぱっ、と遂に夏樹くんから視線を逸らし俯いてしまった。


ちょっとしか見れなくて勿体無かったな、とも思うけれどもう一度顔を上げてあの柔らかな笑みを直視出来る程、私の心臓は強く出来ていない。


実際に私の心音は暫くの間、とくとくと鳴り響いて止まらなかったのだから。






君 を 知 る た び に 、 恋 を 知 る






「永野結花さん」

「はい?…あ、え、…え?」

「今から少しだけ、時間ある?」



その日の放課後、私は彼に話し掛けられた。
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