星の向こうできみを待っている。
◇
「なぁ、これってデートなのかよ?」
「男女が一緒に出かけたらそれはデートでしょ?ここの売店のクッキーおいしんだよ」
「……なんで俺まで」
隣でなんか言っているけど気にしないよ。
袋に入ったクッキーを1つ買って、中庭のベンチに腰掛ける。
「はい、どーぞ」
袋を開け、クッキーを差し出すと「俺、甘いもん嫌いなんだけど」と、文句を言われた。
「騙されたと思って食べてみてよ!本当においしいから」
めげずに差し出すと、すごく嫌そうな顔をしながら1枚だけ口に運んだ。
「ね?おいしいでしょ?」
「別に普通…」
返ってきたのはそっけない一言。
だけど、その一言でも十分嬉しかった。