星の向こうできみを待っている。




「なぁ、これってデートなのかよ?」


「男女が一緒に出かけたらそれはデートでしょ?ここの売店のクッキーおいしんだよ」


「……なんで俺まで」


隣でなんか言っているけど気にしないよ。

袋に入ったクッキーを1つ買って、中庭のベンチに腰掛ける。




「はい、どーぞ」


袋を開け、クッキーを差し出すと「俺、甘いもん嫌いなんだけど」と、文句を言われた。


「騙されたと思って食べてみてよ!本当においしいから」


めげずに差し出すと、すごく嫌そうな顔をしながら1枚だけ口に運んだ。


「ね?おいしいでしょ?」


「別に普通…」


返ってきたのはそっけない一言。
だけど、その一言でも十分嬉しかった。
< 10 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop