星の向こうできみを待っている。



「あたしもね、分からないんだ。あたしを生んですぐ亡くなったの…」


開けられた窓から、サーっと風が入り、颯斗の長い前髪を揺らした。

その時見えた彼の表情は複雑で。




「……悪い」


気まずそうな顔をするから、びよーんって、ほっぺたつまんでやった。



「そんな顔しないで。ここに来ないだけで、お父さんとお兄ちゃんはいるから…」



颯斗から窓の外に視線をうつす。

最近は曇った日が続いている。

それなのに、雨、降らないな…。
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