星の向こうできみを待っている。







『やだ!おかあさんがいい!』


『なんでのあにはおかあさんがいないの?みんなにはいるのに…っ!』



一番古い記憶は幼稚園の時。


みんなはいつもお母さんが送り迎え。

お母さんが作ったかわいいお弁当。

お母さんが縫った手さげかばん。

お母さんが結った髪。


それなのに、あたしはいつもお父さんで。


焦げたウィンナー。

しょっぱい卵焼き。

汚い、手さげかばん。

どれも、好きじゃなかった。
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