星の向こうできみを待っている。
◇
『やだ!おかあさんがいい!』
『なんでのあにはおかあさんがいないの?みんなにはいるのに…っ!』
一番古い記憶は幼稚園の時。
みんなはいつもお母さんが送り迎え。
お母さんが作ったかわいいお弁当。
お母さんが縫った手さげかばん。
お母さんが結った髪。
それなのに、あたしはいつもお父さんで。
焦げたウィンナー。
しょっぱい卵焼き。
汚い、手さげかばん。
どれも、好きじゃなかった。