星の向こうできみを待っている。


『おかあさんにあいたい!おかあさんは、のあのこときらいなの!?』


毎日のように言った。


『お母さんは希愛のことが大好きなんだ。けどな、もう会えないんだよ』


毎日のように聞いた、お父さんの言葉。


『母さんは、星になって希愛を見守ってるからな』


泣きそうな顔で言われた、お兄ちゃんの言葉。



『のあちゃんはママがいないから、いっしょにあそんであげない!』


限られた遊びの中でも、ブロック遊びと人形遊びは仲間外れ。

いつも1人で、絵を描くことしかできなかった。



『希愛ちゃんまた手術するんですって…』


『小さいのに可哀そうね…』


たまに聞こえる、先生同士の会話。

その頃になると“手術”も“可哀そう”の意味も分かるようになった。
< 108 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop