星の向こうできみを待っている。
「そういえば、まだ名前言ってなかったね。あたし、星宮 希愛」
「のあ……ってどんな字?」
「希望の“希”に“愛”って書いて希愛。名前、なんていうの?」
「白峰 颯斗 (しらみね はやと)」
「それじゃ、颯斗くんにさっきの答えを教えるね」
「答え?」
首を傾げ、眉間にしわを寄せ、切れ長の目であたしを睨む。
さっきと同じ顔。
そんな怖い顔しないでよ。
自分から訊いてきたくせに。
「訊いたでしょ?『本当に病気なのか』って」
そう言うと、納得したのか「あ~」と、声をあげた。
自分から訊いてきたくせに忘れるなんて、まったくダメな人だなぁ。
「颯斗くんのいう通り、病気だよ」
彼から目線を空へと移す。
視界いっぱいに広がる雲一つない青空は、まるであたしを嘲笑っているかのよう。