星の向こうできみを待っている。



夜、そっとお父さんの部屋に行くと、ドアの向こうからすすり泣く、声が聞こえた。


『おとうさん…』


戸惑いながらもドアを開けると、お母さんの写真を見ながら泣く、お父さんの姿。

心のどこかでは分かっていた。
お母さんがいなくて辛いのは、あたしだけじゃないことくらい。


本当は、お父さんもお兄ちゃんも、みんな辛いって。

ただ、あたしの前では見せないだけ。


お兄ちゃんも、あたしの知らない場所で、お父さんみたいに泣いているのかもしれない。だから、もう、お母さんのことで泣かないって決めたんだ。
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