星の向こうできみを待っている。
…誰か、起きてる?
そんな軽い気持ちでリビングに入ろうとした時、
『中学生になった望夢(のぞむ)にだから話すんだ。母さんは、病気で亡くなったんじゃない』
ドアの向こうから聞こえたお父さんの声。
一瞬で頭の中が真っ白になった。
ドアノブに触れる手は、何かを掴むこと無く、静かに下がる。
『いいか、母さんはな、病気で亡くなったんだ。仕方なかったんだよ』
昔、幼いあたしたちに告げられた言葉。
あの言葉は嘘だったの?