星の向こうできみを待っている。


DVDが再生されると、1人の女性が画面に写った。


「この人…お母さんだよね?」


写真でしか見たことないけど、すぐに分かった。


「そ。目元が希愛そっくり」


自分の顔、まじまじ見たことないから分かんない。

でもね、あたしより美人。


「これ、お母さんが何歳の時?」


「希愛ができた時だから27」



そんなことを話していたら、画面の中のお母さんがカメラに向かってしゃべり始めた。



『へーちゃんに報告があります!今日ね病院に行ったら、2ヵ月だって言われたの』


嬉しそうに微笑むお母さん。

その直後、お父さんの声も聞こえた。


『望夢くん、お兄ちゃんになるんだよ~』


今度は、椅子に座ってジュースを飲んでいる小さな男の子が写った。

お兄ちゃん、昔は可愛かったんだ…。

腕のお肉、ぷにぷにしてる。

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