星の向こうできみを待っている。


「ふぇっ…」


今なら分かる…。

あたしを守った理由。

あたしを産んだ理由。

2人があたしを責めなかった理由。



「……ごめんなさい…っ」


あたしはバカだ。

2人の言葉を信じないで。

勝手な憶測で、事実から目をそらしてきた。

お母さんがあたしにくれた時間を、無駄に過ごしてきた。


「母親ってさ、俺ら子どもが思っている以上にすごいんだよ。きっと、希愛が天国で寂しくないように先に逝ったんじゃないかな。

母さんが先に天国に逝ったのも、希愛が産まれてきたことにも意味がある。俺は、そう思うよ…」


お兄ちゃんは、ぎゅっと、あたしの体を抱きしめた。
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