星の向こうできみを待っている。



颯斗とは違う温もり。


それなのに、なんでだろう…。

胸がじんわり温かくなる。

それが、すごく心地いい。


「お父さん、あたしのこと嫌いになってないよね…?」


「なってない。嫌いになるはずない。母さんが命を懸けて守ったってことは、希愛にはそれだけの価値があるんだ」


それからしばらくの間、あたしはお兄ちゃんの腕の中で泣き続けた。

涙と一緒に、あたしの中にあったいろんなものが一気に流れ出た気がした。


もやもやした感情。

曇った心。

全部とまではいかなかっけど、泣いた後は気持ちが楽になった。

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