星の向こうできみを待っている。
「直接言いなよ」
さっきの仕返し。
颯斗の真っ赤なほっぺた、つんってつついてやった。
それから、少し歩いていると、あるモノを見つけた。
「ねぇ颯斗…。あたしね、今、運命の出会いをした…」
颯斗の足が止まり、必然的にあたしも歩くのをやめる。
「あ”?」
眉間のしわを寄せ、目を細め、あたしを睨む。
だけど、あたしの目には颯斗の怖い顔よりも、少し先にあるモノに向いている。
「あれ」
指差した先には綿菓子の屋台。
ずっとね、食べてみたかったんだ。
ふわふわの雲みたいなお菓子。
どんな味がするのかすごく気になって。
だけど、口にすることができないせいで忘れてた。
今、その屋台を見つけて、幼き頃の夢を取り戻したよ。