星の向こうできみを待っている。


「食っていいの?」


「わかんない。けど、1つは大きすぎて食べられない」


入院中は売店でお菓子を買ってよく食べていたけど、病院だから体調悪くなってもすぐに処置できた。だけど、今、体調悪くなったらせっかくのデートが台無し。しかも、病院送りされて、お叱りというおまけつき。



「やっぱりいいや…。体調悪くなったら嫌だし」


屋台の前を通り過ぎる際、もう一度屋台に視線を移すと、買ったばかりの綿菓子を片手に持った3人の女の子が視界に入った。


…いいな。


割りばしに巻かれた、大きな大きな綿菓子。

諦めようって思っても名残惜しい。

< 159 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop