星の向こうできみを待っている。
「希愛、ちょっとそこで待ってて」
颯斗が指さしたのはすぐそばの中庭。
文化祭だからか、たくさんの机椅子がセットされていた。
その中の空いた椅子にちょこんと腰掛ける。
ここで待っていればいいんだよね?
綿菓子に気を取られていたせいで、颯斗がどこに行くのか知らない。
もしかしたらクラスの子から呼び出されたのかもしれない。
仕事放棄しちゃったわけだし…。
「わりぃ、遅くなった」
5分くらいで颯斗は戻って来た。
「クラスの方だったの?」
「違う、これ作ってた」
渡されたのは、紙コップ。
その中には割りばしサイズに合わない小さな綿菓子が入っていた。