星の向こうできみを待っている。


「送ってやれなくてごめんな」


「お兄ちゃんに迎え呼ぶ約束してるから平気だよ。片付け頑張ってね」


頑張れの意味を込めて、胸の前で小さくガッツポーズをした。



学校を出ると、約束場所の公園に向かった。

自販機で温かいお茶を一本買ってベンチに腰かけ、ほっと一息つく。


11月の肌寒い公園で遊ぶ子供は1人も見当たらない。

みんな、家でゲームしてるのかなぁ。




「希愛」


それから15分くらいしてお兄ちゃんは来た。


「お兄ちゃ…」


あれ…?

立ち上がろうと思っても、体に力が入らない。



「はぁ…はぁっ」


急に呼吸も苦しくなって、胸のあたりが痛い。

体から力が抜け、ベンチの上にそのまま横になる。

さっきまで元気だったのに、なんでこんなに苦しいの…?

なんで、力が入らないの…?

さっきまで普通に歩けていたのに…。
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