星の向こうできみを待っている。


「希愛…!しっかりしろ…希愛っ!!」


その言葉を最後に、あたしの意識はプツリと切れた。





目を覚ました時には、病院のベッドにいた。


「気分どう?」


すぐ横から聞こえるお兄ちゃんの声。

目線だけお兄ちゃんの方に向けると、服装はそのままだった。

良かった…。

日付変わってない。

その日のうちに目が覚めたと分かったら、少しだけ安心できた。



「…大丈夫」


苦しくて、痛くて、死んじゃうかと思った。

だけど、意外と死なないものなんだね。

あたしが思っている以上に人間は丈夫にできている。


それなのに…。

安心よりも、不安の方が何倍も何十倍も勝っているのはどうしてだろう。

< 165 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop