星の向こうできみを待っている。
「希愛…!しっかりしろ…希愛っ!!」
その言葉を最後に、あたしの意識はプツリと切れた。
目を覚ました時には、病院のベッドにいた。
「気分どう?」
すぐ横から聞こえるお兄ちゃんの声。
目線だけお兄ちゃんの方に向けると、服装はそのままだった。
良かった…。
日付変わってない。
その日のうちに目が覚めたと分かったら、少しだけ安心できた。
「…大丈夫」
苦しくて、痛くて、死んじゃうかと思った。
だけど、意外と死なないものなんだね。
あたしが思っている以上に人間は丈夫にできている。
それなのに…。
安心よりも、不安の方が何倍も何十倍も勝っているのはどうしてだろう。