星の向こうできみを待っている。
思い出と星
あれから1カ月。
本格的な冬の寒さが肌に伝わり始めた。
「おはよ…」
リビングに向かうと、ご飯を食べている2人がいた。
「今日、冷えるみたいだから温かくして出かけろよ」
「うん、ありがと」
今日は颯斗とお出かけをする日。
退院して体調も安定しているから、最近はよくデートしてるの。
もちろん無理はしないという条件付きで。
「最近よく出かけているみたいだけど、友達でもできたのか?」
お父さんはあたしと颯斗が付き合っていることを知らない。
それどころか、颯斗という存在自体知らないと思う。
お兄ちゃんも話してないみたいだし。
「うん。入院中に仲良くなった子。とってもいい人なの」
「そうか。機会があったら連れておいで」
お父さんの言葉に、否定も肯定もしなかった。
その日が来るか分からない。
だけど、いつかちゃんと紹介したいな…。