星の向こうできみを待っている。
「あ、かにさんだ」
アナウンスはいつの間にか星座に入っていて、たまたま耳に入ったのが、かに座だった。
「希愛の誕生日って7月7日だよな?」
「そうだよ。ラッキーセブン。颯斗の誕生日はいつなの?」
「6月9日」
「6月9日ってことはふたご座でしょ?
ふたごちゃんはどこだろ?」
見つけようにもこの星の数だと見つけられない。
そもそも、今ここに映っているのかな?
「説明聞いてないと見つけられないだろ」
「確かにそうだね。星座ってめちゃくちゃだもんね」
あの数個の星をどう繋げたら、星座になるのか、今でも分からない。
多分、みんな思っていると思うよ。
プラネタリウムを出ると、駅前をうろうろした。
可愛い雑貨屋さんを回ったり服を見たり。
いろんなお店を回っていると、1枚のポスターが目に入った。
それは、来週からクリスマスまでの5日間、駅前に展示されるクリスマスツリーの宣伝ポスター。
「イブの日、行く?」
そのポスターをじっと見ていると、颯斗が訊いてきた。
「いきたい!!」
その返事に一切の迷いはなかった。