星の向こうできみを待っている。
「…待って!」
思わず、帰る途中の颯斗を呼び止めた。
「どした?」
立ち止まり、振り返る颯斗に駆け寄ると、思いっきり胸に飛び込んだ。
ぎゅっと力いっぱい抱きしめると、颯斗もあたしを抱きしめてくれる。
沈んだ気持ちの時にこの優しい温もりに触れると、どうしてだか泣きたくなる。
「希愛?」
頭の上から聞こえる颯斗の声。
背中に回された手は、いつの間にか頭に移動させられ、あたしの頭を優しくなでた。たったそれだけのことなのに、すごく心地いい。
「また、会えるよね?」
「ツリー見に行く約束したばっかじゃん。不安なら明日も会う?」
その問いかけに、首を横に振る。
明日は月曜日。
颯斗は学校があるもん。
ツリー見に行くまでは会わない。