星の向こうできみを待っている。


しかも、こんな街頭の下で。

颯斗って雰囲気、大事にする方だったらどうしよう…。

俯き、しょんぼりしていると、突然チョップされた。




「『あたしなんか』じゃねぇよ。言っとくけど、希愛は俺の中で一番だから。もっと自信持て」



「あたしの中でも颯斗が一番だよ!誰よりも大好きだもん!」



反射的に返したせいで、言った後に自分が何を言ったのか理解した。

とたんに体の中を、一気に駆け上がるように熱くなった。



「希愛ってたまにすげーこと言うよな」


うっ…。

何でそこ突っ込むのさ。


「これからは気を付ける」


ちゃんと考えて発言しよ。

そう決心したのに…。


「いいよ、そのままで。その方が希愛の思ってること全部聞けて得した気分」


颯斗の言葉は、そんなあたしの気持ちを一瞬で消し去った。

いつだってそう。

颯斗は何気ない言葉であたしの気持ちを簡単に変えてしまう。
< 180 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop