星の向こうできみを待っている。
1章
金色とシルバー
─ピッピピ…
規則的になる機械音。
鼻につく薬のニオイ。
重たい瞼を開けると、白い光がぼんやりと広がった。まるで、真っ暗な世界から現実に引き戻されて行くかのように。
「おはよう。気分はどう?」
隣にはあたしの腕に点滴をつける看護師さん。
点滴をつけるために捲られた袖からは、不健康そうな白い腕が出ており、何度も点滴を繰り返してきた証である痣が嫌というほど目立っていた。
「びっくりするくらい変わらないよ。あたしさ、本当に死ぬのかな?」
一瞬、時が止まったような気がした。だけど、止まったのは時間ではなく、点滴をつける看護師さんの手。