星の向こうできみを待っている。
「あのさ、颯斗にお願いがあるんだけど」
「なに?」
長いまつ毛に縁どられた瞳は、くすんでいて、どこか悲しそう。
偶然同じ病室になった男の子に偶然お兄さんがいて。
ただ、それだけなのに…。
「あたしの話し相手になってほしい」
なぜか、きみのことが気になったんだ。
初めて、自分から言った言葉。
誰でもいいわけじゃない。
ただ、颯斗と話すと自然と心が楽になるの。
誰かと話していて、そんなこと思ったのは初めて。
角度のついたベッドに横になるあたしと、ユウくんのベッドに腰掛ける颯斗。
2人の距離はそれほど遠くない。
ただ、長い沈黙が2人の距離の遠さを感じさせた。