星の向こうできみを待っている。
その日からあたしの世界が180度変わった。
颯斗に出逢って頑張ろうと思うようになった治療も、今じゃ何のためにするのか分からない。
ご飯だって、食べられるまで回復した。
だけど、何も食べる気になれなくて。
颯斗を失って、同時にあたしの世界も無くなった。
やる気も無ければ生きる意味さえ分からない。
完全に色も無くなった。
モノクロの世界…いや、白色さえもない。
真っ暗で何も見えない、そんな世界になった。
「希愛ちゃん、そろそろ検査いこっか」
車いすを押しながら病室に入ってきた看護師さん。
「やだ…」
検査なんて何の意味もない。
そんなことしても颯斗は戻ってこない。
「いい加減にしなさい!いつまで拗ねてるの!?」
別に拗ねているわけじゃない。
あたしの気持ちも知らないで…。
なんで、そうやって怒鳴られなきゃいけないの?