星の向こうできみを待っている。

「…もう放っておいて」


あたしに関わらないで。

あたしの世界に入ってこないで。

お願いだから、1人にしておいて。

颯斗と出逢った、たくさん話した、思い出のある病院でさえも居心地の悪い場所となる。



颯斗と別れて、あたしの中では3カ月くらい経った。

だけど、実際は1週間程度しか過ぎていない。


どれだけ忘れようと思っても、諦めなんてつかなくて。

いつだって颯斗の顔が脳裏に浮かぶ。


「希愛」


誰の声にも音にも反応を示さなかったあたしでも、この声には反応した。聞き慣れた、大嫌いな声。


「何しに来たの?」


入院して以来一度も来なかったくせに。

今さらなに?
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