星の向こうできみを待っている。

こんなに寂しくて、苦しくて。

毎日に価値すら感じない。

こんなのが幸せだって言うなら、あたしは幸せになんかなりたくない。


「安心しろ、全部消してある」


…え?

なに、言ってるの…。

一瞬、お父さんの言葉の意味が分からなかった。


『消してある』って、何を…?


恐る恐る電源をつける。

ホーム画面は何一つ変わらない。

だけど……。


「なにこれ…」


アプリの中には、颯斗とのトーク履歴も写真も、連絡先すらも、何ひとつとして残っていなかった。あるのは、家族と病院の連絡先のみ。
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