星の向こうできみを待っている。

「昔の君はいつも死ぬことばかり考えていた。だけど、彼と出逢って生きようと必死にあがくようになった。今も昔も彼がいないことに変わりない。だけど、君は違う。確実に変わった」


「確かにあたしは颯斗に出逢って変わった。ただ、颯斗を失ったあたしは、昔のあたし。死ぬことしか考えてこなかったあたしだよ」


長い時間をかけて、前に進んだ。

生きようと必死にあがいた。

颯斗と、大切な未来を歩みたかったから。

颯斗がいれば、どれだけ辛くても最後は笑っていられた。


だけど、颯斗はもういない。

あたしの隣にはいない。

今もこれからも。


ずっと…。


「こんな簡単に戻っちゃうんだね」

「今は辛いかもしれない。だけど、信じて待っていれば、きっとまた颯斗くんは戻って来てくれる」


今までに見たことがないくらい、真剣な眼差し。


…ずっと大嫌いだった。

こんな先生、大嫌いなはずなのに…。
< 247 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop