星の向こうできみを待っている。

頬を伝う一筋の涙。

颯斗と別れて毎日泣いた。


『希愛は、泣き虫なだけで、弱虫じゃねぇよ』



あの日、颯斗は言ってくれた。

あたしは、弱虫じゃないって。



「あたし、信じてもいいんだよね…?颯斗は戻って来てくれるって……。あたしにくれたもの、全部嘘じゃないって………」


「誰が見ても、君たちの関係は本物だったよ」


どうしてあたしはいつも、生きる意味を必要としてきたんだろう。

そんな抽象的なもの、探したところで何の意味もない。

そんな簡単なこと、考えてみればすぐに答えは出せた。


生きる意味を探すことが今のあたしにできることじゃないでしょ?

今、するべきことは颯斗を待つことでしょ?


先生でさえも信じているのに、あたしが信じられなくてどうするのさ…。

颯斗は絶対に戻って来てくれる。

だからそれまで、絶対に諦めちゃダメだ。

弱虫なあたしも泣き虫なあたしも、もうそこにはいない。
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