星の向こうできみを待っている。

「大丈夫か?」


背中をさすってくれる大きな手。


「だい…じょう…ぶ」


はやく止めなきゃ…。

そう思うのに、あたしの気持ちとは裏腹に、なかなか治まらない。


「ベッド倒す?」


「うん、お願い…」


横になり、しばらくするとようやく治まった。

だけど、またすぐに苦しくなる。

ヒューヒューと、息が気管を通り抜ける音がする。

何度も聞いた音。

何度も体験した苦しみ。

ヤダ…。じんわり涙が溜まる。


「…っ」


苦しい…。

呼吸ができなくなるのに時間はかからなかった。


「希愛!?しっかりしろ!誰か呼んでくるから」


途絶える意識の中聞こえたのは、颯斗があたしを呼ぶ声だった。
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