星の向こうできみを待っている。
『初めから好きじゃなかった。ただの暇つぶし?』
俺の中にこんな感情があるのかっていうくらい好きだった。
誰よりも愛していた。
暇つぶしだなんて思ったこと、一度もねぇ。
希愛と過ごす時間は、宝物みてぇにすごい幸せな時間だった。
『お前みたいな女、本気で好きになるわけねぇじゃん』
今もこれからも、きっと希愛しか好きにならない。
いや、好きになれねぇ。
『あたし、信じないから…』
震えた声だとしても、そう言ってもらえて嬉しかった。
苦しくて泣いてしまいそうで、抱きしめたくなった。
『これで終わりなんて嫌だよ…』
しがみついて、泣き叫ぶ希愛の声が今も俺の中で響いている。
俺だって終わりにしたくなかった。
『颯斗は、強いな…』
あの日、電話越しで希愛はそう言っていたけれど、俺は希愛が思っているほど強くない。
「会いてぇよ……希愛…」
1人になると情けねぇほど弱くなる。
もしかしたら、希愛が俺を強くしていたのかもしれない。