星の向こうできみを待っている。
諦めたくないから
「やだ…いたいのやだ…っ!」
同じ病室で泣き叫ぶ小学生の女の子。
この声を聞くと、なぜかユウくんを思い出す。
こんな風に泣き叫んでたな…。
「ねぇ、先にあたしに点滴してよ」
ベッドから起き上がると、看護師さんのところに行き腕を出す。
「えっ?でも…」
「いいじゃん、どーせするんでしょ?」
看護師さんは、一瞬困ったような顔をしたけれど、すぐに準備してくれた。
腕にひんやり伝わる消毒液。
チクッと針が刺さっただけでなんともない。
「ほら、全然痛くないよ。それに、これには元気になるためのお薬がたくさん入ってるの。早く元気になるために頑張ろうよ。ね?」
女の子は目に涙を溜めながらうなずく。
「怖かったら、目つぶれば見えないよ」
ぎゅっと目をつぶると看護師さんがその間に針を刺す。
「ほら、もう終わったよ」
「ぜんぜんいたくなかった…。おねえちゃんありがとう」
にーっと笑う女の子。
思わずあたしにも笑みがこぼれた。