星の向こうできみを待っている。
「希愛ちゃん少し休みましょ?」
「嫌!」
生きたくても生きられない人がいる。
どれだけ泣いても、
どれだけ弱音を吐いても、
ここに入院している子はみんな病気と闘っている。
自分の未来のために…。
だからあたしも闘う。
どれだけ泣いても弱音は吐かない。
たとえ、颯斗と会う前にこの命が消えたとしても…。
あたしは、最後まであがき続ける。
◇
「ん~っ!気持ちいい」
中庭のベンチに腰掛け、体をのばす。
寒かった冬も終わり、4月の昼間は日も出ていて気持ちよかった。
最近は外に出ることがなかったから、リフレッシュするのに最適。
上を見上げると、どこまでも続く青い空が視界いっぱいに広がる。
昔は大嫌いだったこの空も今では好きになれた。
こうやって、晴れ渡った空を見ていると、明日への希望が持てそう。