星の向こうできみを待っている。
◇
目を覚ますと、機械の音だけが響いていた。
窓の外は真っ暗。
それにほんの少しの違和感。
毎日見ているから、暗くてもわかる。
いつもの景色じゃない。
「目、覚めた?」
隣からは担当の先生の声。
「あたし…どうなったの?」
最後に聞いた颯斗の言葉は、はっきりと覚えている。
だけど、そのあとの記憶がない。
「喘息だよ」
なぁんだ。
ただの喘息か…。
ついに”その時”が来たのかと思った。
先生は、今のあたしの状態を説明してくれたけれど、ほとんど理解出来なかった。分かったのは、あたしが今いるのは大部屋じゃなくて個室だってことくらい。