星の向こうできみを待っている。
「こんにちは。いいですよ」
ベンチの真ん中から、端に座りなおす。
「今日は孫の検査に来てねぇ。長くなりそうだから散歩をしていたの」
「そうだったんですか。お孫さん早く元気になるといいですね」
「そうねぇ…。私ももう長くないから、最後に元気になった孫と遊びたいわぁ…」
空を見上げ、優しく微笑むおばあさん。
その笑顔は作られたものではなく、心からの笑顔。
「あの…死ぬの、怖くないんですか?」
こんなこと訊くなんて不謹慎かもしれない。
だけど、おばあさんは、空ではなくその向こうにある天国を見ているような気がした。そして、その目はどこまでも優しく、見つめる先に愛する人がいるようにさえ思えた。