星の向こうできみを待っている。

それでも、颯斗はあたしと別れるという決断を出した。

そこには、どれほどの想いと覚悟があっただろうか。


きっと颯斗も苦しかったはずだ。

あたしと同じくらい…いや、あたし以上に。


「お兄ちゃん…あたし、行かなきゃ…」


今行かなきゃ、きっと後悔する。

生きているうちは、後悔することがいくらあろうと、何度だってやり直せる。だけど、死んでしまったらやり直せない。

こんな後悔、天国に持っていきたくない。


「うん…行っておいで」


涙に耐えながらも優しく微笑むお兄ちゃん。

お父さんにどれだけ反対されても、あたしに味方でいてくれた。

その優しさにどれほど救われただろうか。

どれほど励まさせただろうか。
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