星の向こうできみを待っている。
「希愛が倒れた日、病院でおじさんに言われた。『俺たち家族から希愛を奪わないでくれ』って。俺が希愛を大切に想っている以上に、おじさんと希愛の兄ちゃんは、希愛のことを大切に想ってる。俺が、希愛たち家族の邪魔になってる…。だから、ごめん……。もう、戻れないんだ……」
なにそれ…。
そんなことない…。
あたしは、颯斗が邪魔だなんて一度も思ったことない…っ。
「発作が起こったのは俺のせいだって…。俺が希愛を振り回してる。俺がいるから、希愛が苦しむんだ…って」
頬を伝う、一筋の涙。
颯斗はいつも強くて、涙なんか見せない。
そんな颯斗が泣いている。
颯斗の涙なんて初めて見た。
「希愛を苦しめるくらいなら離れた方がいい…。嫌われる方がマシだった…っ。これ以上、希愛のこと傷つけたくなかった…。だから、最低な言葉選んで…。……ごめん」
あたしにまで伝わるくらい、体を震わせて泣いている。
颯斗はやっぱり、どこまでも優しい人だよ。
いつだって、あたしのことを想ってくれているのだから。