星の向こうできみを待っている。

お互い見つめあって照れ笑い。

一瞬で耳まで真っ赤になった。


あたしたちは、原点に戻って来た。

ここからまた、始めよう。

2人で前に進もう。


「颯斗…。そっち、行ってもいい?」


「どーぞ」


あぐらをかいて座る颯斗の足の間は、パズルのピースのようにぴったりだった。

そのまま抱きしめると、抱きしめ返してくれる。


この温もり、大好き…。


「希愛」


名前を呼ばれ、顔をあげると至近距離に颯斗の顔。


心臓がどくどくと急速に動き始めた。


「顔、真っ赤…」


「泣いた後だからだもん…」


それから数秒、2人の視線が絡み合う。

そして、初めからそうすることが決まっていたかのように、2人の唇がそっと触れた。


泣いた後だからか、そのキスはほんのり涙の味がした。
< 287 / 397 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop