星の向こうできみを待っている。
◇
「希愛!」
家の前ではお父さんが待っていた。
あたしたちに気づくと、近所迷惑じゃないってくらいの大きな声であたしを呼ぶ。
「なに?」
思わず、睨んだ。
もしかして、また颯斗に何かいうつもりなの?
「君は…」
お父さんは颯斗の姿を見ると、顔をしかめた。
「あの、希愛さんは悪くないんです。俺が引き留めて…」
「いいよ、颯斗。この人には何を言っても無駄だから」
頭ごなしに反対して。あたしにどれだけ言っても颯斗と別れないから、颯斗に頼んだ。そんな卑怯なことしかできない人なんだよ。