星の向こうできみを待っている。




「希愛!」


家の前ではお父さんが待っていた。

あたしたちに気づくと、近所迷惑じゃないってくらいの大きな声であたしを呼ぶ。


「なに?」


思わず、睨んだ。

もしかして、また颯斗に何かいうつもりなの?


「君は…」


お父さんは颯斗の姿を見ると、顔をしかめた。


「あの、希愛さんは悪くないんです。俺が引き留めて…」


「いいよ、颯斗。この人には何を言っても無駄だから」


頭ごなしに反対して。あたしにどれだけ言っても颯斗と別れないから、颯斗に頼んだ。そんな卑怯なことしかできない人なんだよ。
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