星の向こうできみを待っている。

「おかえり、颯斗くんもいらっしゃい」


優しく微笑むお兄ちゃん。

そんなお兄ちゃんに颯斗はペコリとお辞儀をした。


「2人とも、そこに座りなさい」


あの日と同じように、テーブルをはさんでお父さんが腰掛ける。違うのはここに、颯斗とお兄ちゃんがいるってことくらい。


「…すまなかった」


突然、お父さんが頭を下げ、謝った。

…え?

今の状況に頭が付いていかない。

隣を見ると、颯斗もポカーンとしていた。


「あの…お父さん?」


反対された時はムカついたけど、こうやって謝られるのもなんかやだ。お父さんじゃないみたいだし、何より素直に謝るお父さんの姿は気持ち悪い。
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