星の向こうできみを待っている。
「本当は、分かっていた。希愛にはきみが必要だってことくらい。だけど、どうしても賛成できなかった」
震えたお父さんの声。
いつも頭ごなしに反対して、怒っていた人とは思えない。
「今までの希愛は自分が生きることに興味があるのか分からなかった。家にいてもあまり口を利かない。笑おうともしない。入院中でさえも、窓の外を眺める希愛は感情があるのか分からないと先生からよく聞いた。希愛をそんな風にしてしまったのは、私なのに何もしてあげられなかった…」
片手で顔を覆い、声を絞り出すお父さん。
今にも泣いてしまいそうなその姿は昔のことを思い出させた。
それは、あたしがまだ幼いとき。
お母さんの写真を見ながら涙を流す姿。
大切なものを失った時に見せる顔。