星の向こうできみを待っている。
「初めて君を見た時、同時に幸せそうに微笑む希愛の姿も見た。何年も一緒に暮らしているのに、希愛のあんな顔を見たのも、あんな風に必死になる姿を見たもの初めてだった。
そんな姿を見て思った。きっと希愛はいつまでも君のことを想い続ける。亡くなった後も…君を想い続ける。だけど、君は違うだろ?それだけチャラチャラしていたら簡単に希愛のことを忘れてしまう。そんなの希愛が天国で悲しむ…。それが、どうしても許せなかった。だったら、いっそのこと別れた方が希愛は幸せになれると思った…」
お父さんは頭ごなしに反対していたわけじゃない。
『大切な人を失う辛さも知っているはずだろ?』
あの日、お兄ちゃんに言われた言葉。
『俺たち家族から希愛を奪わないでくれ』
颯斗から聞いた、お父さんの言葉。
お父さんはお兄ちゃんの言っていたように、ちゃんとあたしのことを想っていくれていたんだ…。
ただ、想う方向が違っただけ。